私の敵はチビ会長





まるで自分が王様だとでも言わんばかりにえらそうに振舞うはなちゃん


くるみちゃんの前では弱いくせに…



沙織によって解き放たれたはなちゃんは勢いよく飛び出し公園の出口まで駆けていった



そして、もうすぐで出るというところでクルリと後ろを向いた




『私は諦めないもんねー!!絶対亜姑っちに幸せになってもらうんだ!!』

『もういいっつてんでしょ!!帰ったらちゃんと話してやるから!!』



くるみちゃんにすぐに怒鳴られて怖気付いたのか、そそくさと逃げていく




…なんだったんだろ?

そんな脱力感にさいなまれながらもあたしは暖かい気持ちでいた



はなちゃんも亜姑のためにあんなことまでして頑張ってた…


クルみちゃんだってきっと仕事をほったらかしで来てる



誰かのために頑張るってすごくいいことだなぁ




ゴンッ


『っいた〜…。』

『なにマヌケな顔してんのぉ?なんか勝手に解決しちゃったけど、ちゃんと気張ってないとまたなにがあるか分かんないよ?』

『…分かってるって…。』

『ねえ。ちょっと?』



あたしと沙織が話してる間に割って入ってくるクルみちゃん


さっきのこともあったから少し構えてしまう



『そう警戒しないで?なにもしないし。てか、あんたらのほうがうちより怖いんじゃないの?』

『へ…?』

『あんたらのこと知ってるよ。有名だもんね!』



〜っ!?

な、なんで知ってんの!!?


驚いて沙織とあたしは同時に目を見開く



それを楽しそうに見つめるクルみちゃんは本当になんでも知ってそうな顔をしていた




ゴクリ

生唾を飲み込みながらパニックになってる頭をフル回転させる