『…俺、コーヒー苦手なんだよね』
これ…マジ。
子供のころに母親から無理矢理飲まされて以来、
コーヒーが大の苦手になった。
コーヒーの匂いを嗅ぐだけでも…うへ…
そしていつもこの事を打ち明けると決まって同じ顔をされる
案の定志穂もそんな顔
『う、そ…?マジで?』
『こんなくだらねぇ嘘なんてつくか。お前じゃあるまいし。』
『…信じらんない』
ちょっと交えた皮肉さえ反応しないほど志穂は驚いているらしい
つうか、信じらんないって…
人間全員がコーヒー飲めるとか思うなよ!?
あんなマズイもん飲んでる奴のほうがおかしいんだよ!!
だけど志穂の返答は意外なものだった――…
『……なんか、意外だなぁ…。』



