『おはよー。』
『おはよっ!!今日も休みだってさ…未夜と沙織』
あたしが教室に入った瞬間待っましたとばかりに駆け寄ってくる輝
そして恒例になりつつある二人の欠席報告
それをあたしに言うと、輝は不完全な笑顔で笑う
…ムリして笑わなくてもいいのに…。
あの日から輝はうまく笑えてない
普段から心の底から笑ってる輝には、作り笑いなんて必要ない
だからあたしを心配させないように作ってる笑顔もひきつってる
それが、余計に心に痛む
…ごめんね。
あたしのせいだよ
沙織が長い間学校を休んでるのも
もしかしたらこのクラスが元気ないのも、そうかもしれない…。
本当はあたしがなんとかしないといけないのに…
甘えてばっかで
本当にごめんね?
輝から笑顔を奪ったのは、あたしかもね。
『あれっ…嘘。…えぇっ!?』
急に窓の外を指指し、大声で騒ぎ立てる輝
その表情は驚きで歪んでいる
なっ…なに?
あたしは急いで輝の隣へ駆け付けた
でも、大声で騒ぐもんださらクラス中のみんなの視線がこっちを向く
あ…。
めっちゃ見られてる
『ど、どうしたの?』
『あれっ!』
輝が指差す先には一人の女の人が優雅に歩いてく
なに…?あれがどうしたの?
あたしは輝の興奮の意味が分からなくて、
ふいに近くのしげみを見る
っ!!
『か、会長っっ!!?』



