私の敵はチビ会長







『…?…っ…たくっ…なんであんたまで泣くのよ?』




あたしが泣き出した瞬間



奈梨さんは顔をあげ、あたしの頭をそっと撫でてくれた




自分も辛いはずなのにあたしを慰めてくれる奈梨さんの優しさが胸に痛い





…あたしは



結局話を聞いてもらっただけで、奈梨さんになにも出来ない




慰める言葉も励ます言葉も見つからない…





本当にっ嫌になる…。





『ごめんね…?こんな話して。でも、小出さんにはあきらめて欲しくなくて…私は本人に聞く勇気も諦めない根性もなかった…。』

『ちっ違います!!奈梨さんはすごい人だと思います…。こうやってちゃんと自分の気持ちを話せる…だから…』




ごめんなんて言わないで…


これ以上自分を責めないで…




『…うん。わかってる…でも、けっこう苦しくて…。あははっ今日こんな話するために呼んだんじゃないのに…でも話せてよかった。』




悲しさしかない奈梨さんの笑顔は本当に心に響く



あたしまですっごく悲しくなってしまう




後悔はしたくない…。



でも、勇気もないんだ











『恭哉と…話してみて。きっと話してくれるから』




話す…。



聞くのが怖い




もし、よりが戻っていたら?



もし、うざがられたら?




小さい不安がいま心にいっぱいたまってる



それをすべて取り除くなんて不可能なんだ…。