私の敵はチビ会長







『へぇーそう。』





…え゛?



平然とどこからもってきたか分からないココアをすする水城さん



なぜかあたしの前にもココア…。





って…いまなんて?



あたしは水城さんをがん見して目を離さない





『…もう一回言ってください』

『は?…へぇーそう?』




へぇーそう…?


それだけ?





意味が分からないという風に肩を竦める水城さんを見てあたしも同じく肩を竦めた





ハッキリ言って信じられない…。




水城さんあんなに会長のこと好きそうだったのに、


反応がそれだけ…?




傷つかないの…?


悲しくないの…?


辛くないの…?



なんでなにも思わないの…?


わかんない…。






『…なにびっくりしてんのよ?私恭哉に元カノがいることぐらい知ってるよ』

『えぇっ!?』




し、知ってたの…?



驚きで口が閉まらない



多分、あたしいまずっごいマヌケヅラしてると思う




『そうね〜…確か…中学時代急に現れた女よ。そんときからもう付き合ってたみたいだけどね』




中学時代…


あたしの知らない頃の会長…



つい最近じゃん…



急に現れた女ってなに…


あたしの知りたいことなにも分からない…




ハハッと苦笑いを零す水城さんはどこか楽しそうで、


あたしを見つめて笑ってる



『渡部さんっているじゃん?あのお嬢様。その人と一緒で私も違う学校だったからなにもできなかったんだけどね』




遠いことを思い出すように目を細める水城さん




そんな話初めて聞いた



いままで中学校ずっと一緒にいるのにそんなこと一言も話してくれなかった






…お嬢様ってなに?


沙織お嬢様だったの?




なに、それ…