私の敵はチビ会長







…え?なんであたしが謝ってんの?


水城さんが急に近づくから驚いたんじゃん




不満げに水城さんを見ると意味深な顔で水城さんもこっちを見ていた




…?



その表情がなにやら真剣でなにも言い出せない





それにしても…



きれいな人…。


まるで芸能人だよ!!




こんな人とも知り合いなんて会長すごい



しかも水城さん会長に好意もってるからね?





…やっぱり、会長は遠い人なんだね



あたしなんか手も届かない人





あたしを好きになってくれるなんてありえない…。







『…ねぇ?何で泣いてたの?超ー気になる!!』




涙目のあたしにまた顔を近づける水城さん



だから…近いって!!





『なんでもないですよ?ただ流れただけです』

『…ふーん。私はただ流れる涙なんてないと思うけど?』

『えっ…』

『人間ってすごい生き物に見えるけどけっこう不出来なものなのよ?言葉はそんな人間が作り出した物だから不完全なの。だからいくらでも飾れる』




不完全…


あたしにも水城さんの話はなんとなくわかる





『でも人間の体は、人間が作るものなんかよりよっぽど正確で正直。涙も一緒よ。気持ちに左右されて出てくる。悲しい時とかは意識関係なくでてくるの』





…なぜか



また涙が溢れてくる



水城さんの言葉があたしの中に入ってくる