『…あなたはっ…だ、れ?』
『あたし?あたしは水城奈梨って言うの。あなたは?』
水城…?
心臓がドクンと音を奏でる
水城さんを見たまま目が放せない
まさか…この人が…水城さんだったなんて
優しそうにあたしを見つめる水城さんは多分あたしの正体に気づいてない
最悪だ…
まさかこんな状況で会うなんて…。
電話とは違う優しく大人な感じでまだ信じられない
この人が水城さんだなんて…
『あ…あたしの、名前はっ…』
言いたくない…。
『…名前は?』
でも、言わないといけないんだよね…。
『こ、小出志穂です…。』
目を見開く水城さん
驚きで言葉を失ってるみたい…
そりゃそうだよね。
泣いてる女の子見つけて名前聞いたら待ち合わせしてた奴だったんだもん
あたしだって驚いたよ…
『本当?あなたが小出さん?』
『はい…。』
『…ふ〜ん、イメージと全然違うじゃん』
…え?
あたしの横でふんぞりかえるようにあたしを見つめる水城さん
さっきまでと声のたかさも言い方も全然違う
あたしが驚いていると急に水城さんの顔が目の前に現れた
『ぎゃっ!!?』
『なによ?驚きすぎ…』
『は、はい。すみません…』



