『はぁはぁ…あ。そういえば鍵かったっけ?』
学校への道からちょっと外れて違う道をひたすら走っていると、
思わず思い出した鍵のこと…
てか、多分閉めてない
パカッ
ープルルルル
[はい…]
『あ!!もしもし?』
[…志穂さん…だよね…はぁ…どうしたんですか?]
…いま絶対ため息したよね?
あたしは電話の向こう側にいる人に殺気を放つ
本っ当にひどい奴!!
でもこれからお願いをする側としてはここで喧嘩は避けたい
『え〜とね。悪いけど…鍵しまってるかどうか調べてくんない?』
[は?…鍵っスか?]
『そう。で、閉まってなかったら玄関にあるの使って閉めて?で、その鍵持ってって。』
[急に言われましても…]
-プツッ
よし。
これでこっちのほうは大丈夫♪
じゃあ青葉公園探しますか!
絶対見つけてやる
『って…どんだけこの学校広いんですか!?』
もう絶対10分以上たってるのに、一向に着けない
それになんかこの道通ったことがあるような気が…
周りを見渡すもすべて闇一色
こんなに暗いとあたしも飲み込まれそうになる
…闇にまぎれたらいままでのことなかったことにできるかな
もう嫌だよ。
全部なくなりそう…
あたしの周りにあるもの全部
会長も沙織も未夜も輝も…
あたしがうずくなってしまおうと思ったそのとき
またケータイが鳴った



