聞きたくない…
本当はいますぐにでも耳を塞いで逃げてしまいたい
でも…
会長のこと気になるのも事実だから
知りたくて知りたくてたまらない
なんでこんなにいっぱいの感情がうまれるんだろ?
一つでいいのに余計なものまでついてくる感じ…。
…か、彼女なんだよね…きっと
あの人は会長の彼女で、だから一緒に歩いてた
だったら聞きかなくても…
いや。
どんなことでも聞いたほうがいいにきまってる
分かりきったことでも。嫌なことでも。
あたしのなかでなにかが固まっていく気がした
『欄さん…。話してください。…聞きたいんです!!どんなことでも…。』
欄さんは相変わらず暗い表情
それはあたしの答えを聞いても変わりはない
…聞いてやる
絶対に。逃げたくない
『…わかった。じゃあ話すけど…恭哉の過去から話していい?』
『…過去?』
『そこまで遡らないと今回は駄目みたいだから…。』
過去って…会長の家のこととか、
子どものころの話?
じゃああの人は、子どものころからの知り合いってこと?
もしかしたら…子どものころから付き合ってるってこと?
やっぱりそう考えると聞くのが怖くなってきた
会長のこと知りたいくせに、聞いたらいまの関係が壊れそうで…。
それを守りたいって思ってる自分がいる
多分…本当に会長に彼女がいるって聞かされたらたち直れないと思う…。



