けど…
『へぇ…負けるのが怖いの?』
『……あ?』
挑発的に俺を顔で威嚇する志穂
平和的に終わろうと、志穂に背を向けていた体が志穂の言葉に反応して一人でに動き出す
…上等だ
売られた喧嘩は買うのが礼儀
だから…この勝負受けてやるっ!!
『で?なにで勝負する?』
『普通に喧嘩。』
『…』
平然と腕をポキポキ鳴らし準備を整えてる志穂
…いやいやいや
俺は半分呆れながら志穂を見ていた
だって、喧嘩なんかしたら退学だぞ?わかってんのか?
でも、ここで『やっぱやめよう?』とか言うと絶対弱虫扱いされて
めんどうなことになるんだよな…
本当に準備し終わった志穂はいつでも出来ますポーズを取っている
…どうするか
俺が口を開こうとした時
『早く?やんないの?』
『…やるって言ったって…』
眉間にグッとしわを寄せる志穂はもっと不機嫌な顔になった
…だからそれ怖いって。
苦笑いを浮かべながらなんとか打開策を考えるも出てこない
もう喧嘩やっちゃう?
いや…でもダメだ。
そうこうしてるうちにシビレをきかせた志穂が俺のところへ
華麗にジャンプしながらよってくる
『ちょっ!?ちょっとタイム!!』
『ヤダ。そんなの無し。』
冷徹な志穂はながれるようなパンチを繰り出す
でも…さっきからそのパンチは俺には全然効いてない
すべてよけているから



