私の敵はチビ会長






『お、おいっ!?どこいくんだ!?』

『うっさい!!ついてくんな。』




あわてる会長を振り切り、あたしは強引に会長から離れた



そしてケータイを手で押さえたままバッと階段を飛び降りる



これには会長も唖然としていてあたし自身もびっくり



…すっごい飛べた





ふわっと浮いた体はまるでジェットコースターにのっている気分


正直絶叫系は苦手だからヒヤッとした







「…あの?もしもし?」

『あっはい。ごめんなさい。え〜と…なんの用ですか?』





ぼーっとしてる会長からできるだけ離れて声を潜める


茂みに隠れてケータイを耳にあてた




電話の相手はちょっとイライラしはじめったぽくて足ゆすりの音が細かに聞こえる



おまけに向こう側ではかすかに笑い声も聞こえてくるから数人仲間がいることが分かった




…確かクラスメイトって言ってたよね?



てことは会長この人のこと知ってるんじゃないの?




淡い期待が沸いてくるけど、そのためには会長に代わらなければならない



それがすこし不安を掻き立てる








「小出さんいきなり悪いけど、恭哉近くにいるでしょ?すこし変わって?」







…は?



会長の存在がばれてることより上から目線なのがなにより引っかかる



えらそうにあたしの返事を待ってるその女に不思議とい荒立つことはない




なんでだろ…?



かわりに胸がもやもやする

なんともいえない怪訝感


あたしはそれがすっごくやなものに感じた









『会長ですか?はい。いますけど?』




あたしの言葉もまけじと冷静を保つ



なにかわからないけど、ここでうそついたら負けなきがしてならない