『…。』
『…これ。欄と被るから。』
へ…?
欄さん?
少し寂しそうにそう言った会長は俯いてるあたしの目の前にあのピンク色の箱を差し出す
あたしはそれを黙って受け取るとあけてもいいのかと不安になり、
会長をゆっくりと見上げる
そこには恥ずかしそうに頬を淡く染めた会長がいてまたそれがあたしの胸を騒がした
…どういう意味なんだろ
そればっかりが気になってあたしは赤い頬に気を配りながらスルッと紐を解いていく
『…っこれ。』
あたしはその中身を見たとき会長の表情の意味がわかったんだ
…それは
欄さんがあたしにくれたのと同じブランドの同じネックレス
でも、中にはルビーじゃなくてもうひとつの小さな星だった
とても綺麗に輝それは欄さんと同じものなのに会長がくれたほうがずっと綺麗に見えて
あんなに嬉しがっていたけど、会長がくれたほうが何倍も嬉しい
なんでだろ…?
なんか泣けてきた
だけどあたしはその思いを押し殺し満面の笑みで会長をみる
『…ありがと。すっごい嬉しいよ』
『…そっか。なら良かった。でも…欄と同じだろ?だから嫌だったんだ。多分欄も同じことを思ってそれ選んだと思うし。』
『へ…?同じこと?』
『うん…志穂似合うだろ?だけど、俺は正直欄のほうが志穂に似合うと思った。それにすごい志穂喜んでたから』
あたしの手のなかにある光るものを見ながら会長は言葉を続ける
あたしもそれをギュッと握り締め会長を見る
…ここまで悩んでくれる会長がすごく愛おしいと思えた
そして、どおしようもなく
好きって感情が溢れるんだ



