ｶﾞﾝｯ
『痛ってぇ…。強く閉めすぎ。』
『へ…?あ!!ゴメン!』
なかなか閉まらないからおかしいなと思ったらなぜか会長の声がして驚く
ﾄﾞｱの向こうをゆっくりと除いてみると会長が苦笑い気味に立っていた
そして下を見ると会長の足
しかもﾄﾞｱにｷﾞｭｳって挟まれてるし
焦って勢よくあけると今度は会長の顔にぶつかりそうになって
でも会長はそれを片手でうまくキャッチしていた
…すご。
けっこう勢いあったんだけどなぁ
それをうけとめちゃうんだからやっぱ会長はすごい
そんな風にボーッと会長を見ていたら
『…ﾌﾟｯバカ面。』
笑われてしまった
でも憎たらしいはずなのになぜか顔は熱くなっていき
イライラなんてどこにも感じない
さっきまでずっと不機嫌な顔しか見てないから、
なんか新鮮かも
それはいつもみたいに明るくすごく爽やかな笑顔だった
『本当、志穂ってバカだよな〜。』
『なっ!?あんたのほうがバカじゃん!!』
『はいはい。俺のほうがバカですよ〜』
さっきとおなじような笑顔であたしを見つめる目はいつもと違っていた
目を細めて幸せそうに笑う会長にあたしの顔はまた熱い…
…本当に…
なんなの…。
意味わかんないよ。
いままでみたいに反抗しておまえのほうがバカだとか言えばいいのに…
なんで何も言わないの…?
あたしもなにも言えなくなっちゃうじゃん
ほんと、調子狂う
『…本当は見せたくなかったんだけど…』
あたしが黙ってしまって少し時間がたつと会長が静かに口を開いた
お互い沈黙だったからあたしは思わず肩を震わす
み、見せたくなかった…?
色んな意味が頭のなかで交差して、でもやっぱり悪いほうが多くて
よくない意味だと勝手に思ってしまう
