『〜っ!!いい加減帰りなさいっ!!!』
『ぎゃっ』
息をたくさん吸い込んだ声は良く響くこと…
この部屋はもちろんのこと下の階や隣には絶対聞こえてると思う
急に大声を耳にした会長は勢いよくゲームを手放すと、ただ呆然とあたしを眺める
多分いま耳がキーンってなってるから
…はぁやっとゲームが終わった
心のそこからの安心
だってこの調子でゲームやられてたら絶対9時なんて余裕で過ぎてしまう
そしたら流れ的にここに泊めてとかいいそうだし。
デリカシーがないから
あたしが肩をおろすとすぐに会長のあえぎが聞こえてくる
『っ痛…。こ、まく…が。』
『はいはい。いい加減帰ったら?もう時間ないよ?』
『…分かった。帰ればいいんだろ?』
そう言って渋々立ち上がる会長
まるでおじいさんのようにゆっくりだけど…。
それでも進んでいく会長に玄関までついていく
部屋を出るとき後ろを振り返るとさっきまであった温もりがもうなくて
すこし寂しい…。
『ん。じゃ。』
『あ!!そういえば…箱のなかに結局なんだったの?』
手を振って帰ろうとするところをまた無理やり引きとめた
…なんで止めちゃおうのかな?
早く帰ってもらわないと困るのに…
心のなかでそうは思いつつも、まだどっかでかえってほしくないって自分だいるんだ
それは意識下にはないものだけど…
確かにあたしのなかに存在する
『はぁ?』
あたしが呼び止めたことによってまた会長の顔がゆがんでいく
わわっ!!やっぱ止めなきゃ良かった
外はもう暗くて全てが闇
今日に限っては星もでてない
『やっ!やっぱいい!!』
首を大袈裟なほど振ると今度はあたしが部屋のドアを閉めて中へ入ろうとする
けど…



