『あたしっ…会長の代理にっなったこと…っ嫌じゃないっよ?女の子達に悪く言われてもっ平気っ…でもっ会長に嫌われるのはっ嫌…っ』
『…え?』
びっくりするようにあたしの腕を離す
あたしも握られてた腕が冷たくなってびっくりして会長を見る
そして寂しさとともに悲しさと涙がこみ上げてきた
『ごっめん…。ヒック…ごめんっ』
『…なんで志穂謝るの?志穂は悪くないから。それに俺は嫌わないよ?嫌うわけないじゃん。な?』
いつもと違う優しい言い方にまた頬が赤くなっていく
…それにしても…
あたし、かっこ悪…。
こんなのガキじゃん
恥ずかしさも大きかったけど、涙は止まらなくて
手で目を押さえながらもっと泣いてしまう
そんなあたしを慰めるように頭をポンポンと撫ぜるように叩く
でも呆れられて、慰められてるんじゃないかと不安が広がってしまう
『…でもごめん…。心配させたかも。…俺、そんなこと思ってないから。だから、泣くな?泣かれたらどうしていいのか分からなくなるから!!』
ぶっきらぼうにそう言って服の袖であたしの目をこする
痛い…。
ズキッとする目は痛いはずなのに、なぜか嬉しくてにやけてしまう
心配そうだけど優しく笑ってくれる会長が嬉しい
普段子供っぽくて屁理屈ばっか言ってる会長だけど、なんかいまはすごく大人びて見える
『ほかにも…なんかあったら言えよ?』
『…うん。…あたしって…生徒会、委員?』
会長に涙を拭かれて落ち着いたあたしは不安そうに聞く
ヒリヒリする目を片手で押さえて、もう片方の手で自分の服をギュウって握る
そうでもしないと、怖いから
文化祭のときからずっと気にしてたこと。
あたしはもう、あそこにいちゃダメなんだって
あたしがそう聞くと、今度こそ呆れ顔へ変貌していく
あ…笑われた。



