私の敵はチビ会長






まわり中が注目する中あたしは彼女と一緒にお店をでた





会長に見つかって心配掛けられるのもヤダし



それにこの子もこんな姿みられたくないと思うから








『…ひっく…うっ…。』

『そこ座って?』





誰も来ない隅っこの部屋に移動させ、あたしもおとなしく座ってくれた彼女の隣へ腰掛ける





…なに話そう?




まだ泣き続けてる彼女になにも掛けれる言葉が見つからない




本当にダメだなあたし…









以前、会長と一緒に生徒会企画を準備してたら教室の外を覗いていた会長が急に教室を飛び出していったことがあった



あたしも急いで窓の外を確認すると、


泣いている女の子が道に座り込んでいた



そこへ会長が駆けつけて、





『なにしてんの?』

『…ひっく…ママを…探してる…』

『そっか。でもなんで泣いてんの?』

『…え………寂しい、から…?』

『…じゃ、寂しくないように俺と一緒にママ探そっか?』

『……うん!!』




決して気休めな慰めの言葉やただの優しさを言わない会長



不器用なりに、あれが会長の精一杯の優しさだった






…なのに。あたしは…







『…ごめん。』






…何も出来ない






彼女は急に謝るあたしに目を見開いて驚く



そしてキッとあたしを睨むと震える声で叫んだ




『なにそれ…?ふざけないで…!!』




怒りに燃えた目と声。



あたしはそれに思わずビクつくけど真剣な彼女から目が離すことができなくて




押し黙ったあたしと彼女




まだ泣ききれてないのかときおり彼女からは嗚咽が聞こえる



そのたびあたしが心配すると睨まれてしまう