私の敵はチビ会長






ギャアアアっ!!


来ちゃった!




あたしはとっさに会長がいると思われるほうに背を向く



おかげで至近距離から会長を見ずにすんだ





『はい!このバニラアイスください♪』

『かしこまりました…。』



会長は女の子と会話してるはずなのになぜか感じる視線



それもちょうど背を向けてる背後から





…こっち、見てる?



おそるおそる後ろに振りかえると


バチと会長と目が合った



それだけで体が固まってしまう




会長から目が離せなくて





『…ボソ…バーカ。』




…な!?



あたしから目線を外さず口パクでなにかを伝える会長


その目は真っ直ぐの輝を放ってるようで、楽しそうな感情が見て取れる



目だけでなく、口からも笑みがこぼれ、口元をクイッと上げた




その瞬間なんともいえない敗北感があたしを襲う




…だれがばかだっ!!



負けじと言い返そうと思ったが周りの子があたし達に注目していることに気づいて悔しいけど口を閉ざす




変わりに顔を赤らめ目で悔し紛れに訴えた



だけどなにか可笑しいのか笑い出す会長



楽しそうに目じりにシワをつくって口元だけ笑わせながら上目遣いで見てくる



あえて見ないようにしてたのに笑わってる会長が悔しくてつい見てしまった




体にピッタリあって引き締まってるスーツは小柄な会長だけどよく似合う


それを引き立たせるのは難しいはずなのに会長はなんなくこなしてる





…っ。悔しい…