私の敵はチビ会長





『…いいですよ?会長をつかってください♪』




ニッコリ笑顔でそう答えたあたしに嬉しそうな顔を向けてくれる吋香さん



まぁ…会長はムンクの叫びみたいになってたけど



顔を青ざめながら口を開け、あたしを見つめている




そんな会長にあたしは


ニヤリと笑みを零して、会長が吋架さんに連れて行かれるのを手を振って見ていた




ふんっ!!


さっきの仕返し!人の話を聞かないほうが悪いんだ




あたしは会長の姿を目に納めようと席を個室からカウンターに移す




そこにもなかなかカッコいい男の人がいて、


あたしに微笑んでくれた



なにここ…本当にすごい人たちばっか




ぎこちなく笑みを返して会長が出てくるのを待つ








『は〜いっ!!会長様こと藍川恭哉くん入りマース!!!』



明るく大きな声が聞こえたかと思ったら、廊下に聞こえるくらいの


歓声が沸きあがる




…大袈裟。


会長ぐらいでこんなことするなんて可笑しいよ



苦笑いをしながらも心のなかではそう思わずにはいられない…





ふと顔を上げると、奥から周りに花のオーラを従えた男の人が歩いてくる



少し頬を赤らめて照れ隠しなのか髪をポリポリかいてる人




まちがいない…



あの小ささ。会長だ




会長はいつ集まってきたのわからないたくさんの女の人に笑顔を振りまく


若干顔が引きつってるけど




でも…



会長じゃないみたい




さっきまであたしと一緒にいた会長とはまるで別人で、


黒い髪を薄め茶色に染め軽くウエーブもかかってる



それがすごくかっこよくて…



思わずみとれて言葉を出せなかった