あたしがなかなか入ろうとしないでおろおろしてると、
さっきの人が愛想がいい笑顔を浮かべ水を持って現れた
『あ。そこ大丈夫だから。ただの個室だし』
個室…?
こんなにちっさいのに人を入れるの?
『あの…これ小さい気が…』
『なに言ってんだよ!入れるって。ささっ中へ入って』
『…はぁ』
さっきと同じ笑顔をあたしに向けて無理やり部屋へとねじ込む
その笑顔は仕事用なのか、キラキラしてた
って…あんたも入るのっ!?
なにも言わずあたしの後から狭い部屋にづかづか入ってくる
中はもう息苦しくて、会長に腕や背中が触れていて
心臓がドクンドクンうるさい
『でさ?聞いてよ?こいつさ責任者やるって言ったのによ…一回もこないしよ。』
なにか語りでも開くテンションでぶつぶつ文句を言う
会長のこと?
…あの会長がさぼり?
ううん。
するわけないよそんなこと
『でさ。恭哉がいないと女子全然来ないんだよ…どうなってんだよ』
『そういえば…女の子少ないですね』
仕切りの隙間から周りを見渡してみると女の子がなくか変わりに男がたくさんいる
しかも、この学校で有名な子達ばかり…
あの一番端に座ってる子はカッコいいってモテまくってる佐野くん
その佐野くんと一緒にいる人が、大企業の息子で
もう一個向こうの席にいるのなんか喧嘩上等って書かれた羽織を着てる
多分不良の中西くん。
っていっぱいいんじゃん。
…でもこんなにいるんだったら逆に女の子が寄って来そうなのに…
不思議な顔して顔を傾げていると
後ろから重たいため息が聞こえてきた
…なに?



