私の敵はチビ会長








『……ない。』

『はぁっ!?ないッ?』

『うん。ない』



会長はそっけなくまたこっちを向かずに静かに答えた


あたしはあまりにあっけない返事に驚いて目をまるくしてまう




そんなあたしを冷めた様子で見る会長




会長と目が合って、恥ずかしくなりすばやく逸らした


あたしが逸らしたことによって会長もあたしを見なくなった





…さっきの…全然考えてもいない様子だった


めんどくさがって言わないようにも見えるし、



…てか、もうちょっと考えてくれてもいいのに




また静かに歩く会長を横目で睨みながらあたしも静かになる






結局つづいた会話はこれだけ、なにを考えてるのかわかんないけど


会長がしゃべらないから…




いつも会長が面白い話題を振ってくれるから会話が成立してていて、それなりに楽しい



でも今日は会長が黙ってしまうからなにをじゃべっていいのか分かんない





それにどこに向かってるのかさっきから意図的に道を横切ったりしてる



クネクネ廊下を横切って無駄に広いこの学校がもっと広く見えてきた



なんか頭痛くなってくる…





さっきまでの楽しく明るい雰囲気は消え、暗く寂しい…




急に黙った会長にも不満はあるけど、なにも話せない自分がムカつく





しかも…



歩くたびに声を掛けてくる女の人たち



会長は優しいから笑顔で言葉を交わすけど、あたしはあんまりいい気分じゃない





…だってその人たちの会長を見る目…



真っ赤ながついてるから





でもいままでだったらそんなこと気にしなかった…



なんでだろ?




会長が女の人と楽しそうに話すと、





胸がモヤモヤしてくるんだ






それに…痛い。















…会長と一緒に歩くと女の子から変な目で見られる…



たぶん、




そのせいだよね?