『志穂…席変わろ?』
『は?ヤダ。せっかく温かくしたのに』
『こっちも温かくしといたから』
渋る志穂を無理やり立たせ俺の席にすわらせる
俺も志穂に笑顔を向けてからドカッと志穂の席に座った
そしてその男達をキッと睨む
俺の行動に気づいた男達はチッと舌打ちすると
そそくさと俺を睨みながら人の波を掻き分け走っていく
フン!!
ざまぁ〜みろ!!
俺が優越感に浸っていると妙な視線を感じる
その視線は予想通り志穂で、人を疑う目つきだ
俺は苦笑いをつくると子供や牛をあやす要領で
『まあまあ…ドウドウ』
でも逆に俺の反応にもっとイライラし始める
志穂が怖い顔を俺に近づけてきたその時
〜♪〜♪♪〜♪
『へ…?』
さっきまで怖い顔をしていた志穂の顔は緩んでいく
勢いよく俺から視線を逸らしてステージに食い入る
そんな志穂の子供みたいなキラキラした笑顔を見てると
俺も苦笑いじゃなく志穂を見て呆れながら笑いをこぼす



