私の敵はチビ会長








―――翌日―――







ガタッ


ゴトッ


ガタガタ





『……なにしてんのよ?』


『あっ…悪い。
起こした?』


『ぅうん…別に…いいけど…』




眠たそうに目をこすりながら、頭に巻いてある包帯をグチャグチャにして


玲が俺に近づいてくる





…おもいっきり
眠たそうなんですけど?



大きなあくびを連発してる玲は女じゃなくて男みたい



呆れながらも玲を見つめていると大事なことを思い出した






『頭大丈夫か?』



玲の頭をさすってみると昨日あったたんこぶはもう無くなっていて


玲はゆっくりと俺の手をどけて笑顔でうなづく





…良かった。


奈梨も心配してたし、大事になったらどうしようかと




安心する俺に対して俺の全身を不思議そうに眺めてくる玲




な、なんだよ?


思わず怪訝な顔をつくる





『…ねぇ?…
どっか行くの?』


『……なんで?』


『いやぁ…恭哉制服だし?どっか行くのかなぁ〜って…』




玲はなにかを確認するように俺の服の袖やえりを引っ張ったりする


俺は横へ後ろへ引っ張られながらも探し物を探す





探しているのは文化祭の特別券



普通はもらえないんだけど、生徒会長ってことで拝借しといた




昨日のこともあるし、生徒会会長引退ってことで



志穂にサプライズ使用と思っていたから






喜んでくれるといいんだけど…




あのでかい塔は喜んでもらえたから、多分大丈夫だとは思う




でも今日に限ってその券がどっかへ行ってしまい



おまけに時間に遅刻しそうなんだ






現在午前9時



早く行っていっぱい遊ぶという計画までもが崩れようとしている