『…藍川くん?』


『……ん?』




一人分の間を空けて心配そうに覗き込んでくる小山



俺はぼーっとしていてしばらく呼んでいたのに気づかなかったらしい




重い頭をあげ笑顔で答えると


小山も笑ってくれた





…なんか、

小山が笑ってるとこ見るの始めてかも




その笑顔に不思議な気持ちをめぐらせながら、


俺は俺のひざの上に寝ていた郁をボーんっと転がす




邪魔。

てかなんで俺のひざで寝てんだ




転がされても起きない郁に若干のイライラをつのらせた







『あの…』


『なに?』


『さ、さっきから…その。ケータイが鳴ってるんだけど…大丈夫?』




小山は心配そうに顔をかしげて俺のポッケを指差す



確かにケータイのランプは点滅していて


メールがきているということを物語っている





俺は小山に遠慮しながらケータイをパカッと開く





『あ…。』




受信ボックスの中のメールを見て俺は思わず声を漏らした





それを聞いて焦ったようにおろおろしてる小山は



なぜか

『大丈夫?!』を連発してる





…なに言ってんだ?


首を傾げた