私の敵はチビ会長








『で?何しに来たんだよ?』

『う〜ん?恭哉ん家でパーティしようと思ってッ!!』

『帰れ。』

『恭哉…ケチはモテねぇよ?』

『おまえに言われたくないんだよ!アホ郁。』




俺は怪訝な顔をして制服姿の郁を睨む


郁の隣の千香も軽蔑した目で郁を睨んでいた





はは…本当に仲悪いよなこの2人




睨みがいつのまにか苦笑いに変わってる自分がいる




そんな俺の目の前にピョコッと笑顔で顔を出したショートカットの女






…はぁ〜…




『なんだよ?玲』

『んふふ♪い・れ・て』

『だから無理だって』

『へぇ〜?私達今日、恭哉がいきなり休むから仕事頑張ってやったのに』





悲しそうに俯いて目を涙でぬらす



まるでドラマの一部始終みたいだ





…相内玲(アイウチ レイ)は女優になったほうがいいと思う


直に涙を流せるし、演技がうまい



でも本人はあんまり乗り気じゃないから何回言っても断られる




だけど俺はこいつが苦手だ






泣かれるとどうしたらいいのか分からなくなる俺は



静かにドアをあけた








『わ〜いありがと恭哉ッ!!』




喜んで元気に走って入っていく玲と水城奈梨(ミズキ ナリ)


さっそく中を物色してるよう…





おい…あんまドタバタやんなよ。下に人住んでんだけど?






『はぁ』と重たいため息をついて千香と郁、吋香も中に入れて



ドアを閉めようとしたとき






『あ…れ?』




玄関先で手を前で合わせ小さくなっている人物を発見した





同じクラスの小山梓菜(コヤマ アズナ)





き、気づかなかった…。