私の敵はチビ会長










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from恭哉
to志穂
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仕事大丈夫だったか?まぁ大丈夫だろうけど…
明日8時集合であとメール返せなくてごめん
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絵文字の一つもない普通のメールだったけど



あたしはそれだけでもとても嬉しい



頬が熱くなると共に口元が緩む







『…プ。会長らしいな…』



まえならこれだけ?とか言って文句つけてただろうけどいまは違う






会長のことを少しづつ分かってきたから





会長は多分恥ずかしくて絵文字がつかえないんだと思う



それにこれだけの文でも真剣に内容を考えてくれてるって分かる




あたしは迷わずぼたんを押していく














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from志穂
to恭哉 
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仕事はあたしががんばったからなんとかなった
メールのことはもういいよ
こうしてメールくれてるわけだし集合はもうち
ょっと遅くがいい
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可愛気がないかな?



そんなことを考えながら5分ぐらい固まってると



いまの自分にハッとした






なにやってんのっ!?可愛気なんて必要ないじゃん!!



自分のやってることがおかし過ぎて


動揺しながら送信ぼたんを押す








お、…押した。





『はぁ〜…。見てくれたかな?』




そんなことを自然と思うあたしは…変?







ケータイを握り締めていたらマナー音のかわりにゆずの曲が流れた




うわっ!!?



勢いよく起き上がって確かめてみてもやっぱり鳴っているのは電話着信音のゆず