私の敵はチビ会長






『あ、もうこんな時間じゃんッ!!』




時計を見ながら声をあらげるあたしに驚いた会長がお茶をこぼす




ってちょっと。


子供みたいなことしないでよ?




ふてくされながら床をふく会長は完全にあたしのせいにしてる



まぁ…あたしのせいだけどさ




そんな会長を無視してあたしは急いでココアを片付け


ついでに手拭を洗ってた会長を連れて店をでた







『おいッ!!どうしたんだよ?そんなに急いで…』

『うるさい。早く帰らないと仕事ほっといてきちゃったから!!』




あたしはお客がいるって言うからちょっと休憩をもらってきただけ



なのにこんな時間まで遊んじゃって…





あぁ…未夜の怒った顔が目に浮かぶ。


あと前田君の死に顔も





ブルッと軽く身震いをして先を急ぐ




『じゃああたしはこれでッ!』

『じゃあっておまえ大丈夫か!?』

『多分全力で働けば大丈夫だと思うッ!』

『じゃなくて…明日来れそうかってきいてんの!!』









なんだよッ!!



ってきり心配してくれたかと思ったのに



生徒会の店の心配かよッ!




怒りながらあたしの教室にむかって走り出そうとすると







『志穂っ!!』

『なに…』




バシッ




会長があたしになにか投げてきた



あたしはそれをうまく両手でキャッチし中身をみる






…これ








『…会長。ありがと!!』

『おうっ!がんばれ!』





会長は極上のスマイルであたしを見送ってくれた



あたしも笑顔で返し、手に持っているものをぎゅっと握って走り出す







会長がくれたのは小さく光るあの塔の光の一部だった



それは綺麗に輝いてまわりが暗くてもかまわずあたしを照らし続ける



まるで会長の笑顔みたい