私の敵はチビ会長







『はい、ココアで良かった?』

『どうも』




3-4組のゲーム屋さんで休憩をとることにしたときには、もう完璧に日が暮れていた




会長はあたしにココアを渡すとあたしの斜め左の椅子に座る





そんな会長を見て、



少し変な気分になりながらココアを飲んでいると






『なぁなぁ?』

『なに?』

『あのさ…さっき電話のことなんだけど…』




気まずそうに話す会長を見てこっちまでなにも言えない





…あ



あたしは思わず顔を暗くする




それを見て慌てて早口になる会長



どうみても、焦ってる






『あれ本心じゃねぇからッ!沙織があの塔のこと俺から話せっつうから…』

『あれって…あたしと一緒にいるのが嫌っていう?』

『そう…。俺から話すのは絶対やだったんだけど…その』




なに必死になってんだか…


必死に言い訳を考えてる会長が可愛くて口が緩んでく



あんなにすごいものあたしのために考えてくれて




それにそんなに嫌だったことを本当にやってくれてんだし





あたし、いま



すごく嬉しいよ








『もういいって!怒ってないよ?それより…』

『それより?』

『なんであたしがああゆうの好きって知ってたの?』

『あ〜…。志穂がまえ生徒会室で言ってたの聞いて…』




思い出したように言ってた会長だったけど、



そこまで言ってまた口を閉ざした





あたしは会長が言いたいことが分かって恥ずかしくなってきた…



…聞いててくれたんだ。





会長はまた『あ〜…あ〜…』とか言ってふさぎ込んじゃったけど



あたしはその何気ない言葉を会長が覚えててくれてたのが嬉しい





そのときは冗談半分で会長に『こういうの可愛くない?』とか言ってた



だけだったのに…