私の敵はチビ会長







1年7組の廊下を抜けたとき、ちょうど接客をしていた前田くんと目が合った




あたしに手を振ろうとしてくれたけど、高速移動してるあたしには




そんな余裕はない。


ごめん、前田くん…





前田くんはそんなあたしの手を引いてる会長を見つけると



無表情以上に怖いくらい冷たい顔になった





…え?



すぐに廊下を抜けちゃったからあんまり良くは見えなかったんだけど





睨ん、でた?






でもそりゃあこんな速さで走ってるんだもん、睨むことぐらいあるよね?





てか…どんだけ長くはしってんの!?



会長に文句を言ってやろうとつぶり気味だった目を開き、顔をあげた瞬間





ガゴンッ




『い、痛ったぁ〜っ!!!』

『へ?…あ。ごめん?』




半笑いを浮かべながらあたしの頭を擦ってくる会長



あの…ぶつけたの鼻なんですけど?




そんな会長を睨みながらふとあたりを見渡した






『…な。なにこれっ!!?』







あたしの目の前に広がっていたのは





参禅と光り輝く大きな光の塔




ひとつひとつの光が個性に溢れた素敵な色合いをしていてまるで星みたい



背景の夕焼けとマッチして最高に綺麗だった





な…なにこれ…。



あまりの綺麗さとおおきさで言葉がでてこない…




横で会長が『クスッ』と笑い声がする



見てみると会長はあたしを嬉しそうにでも恥ずかしそうに



そしてなにか特別なものを見るように目で細めて見ていた






『っ!!///』



顔に一気に血が上っていく


バッと俯くと自分の顔の熱さが実際に伝わってきて




恥ずかしさと嬉しさも入り混じった感情も生まれてきて



つい頬が緩んでしまう