私の敵はチビ会長








『…わ、分かんない…誰って聞いてないから』

『ふ〜ん。…志穂ってさ…無防備過ぎだよね』

『なんで?』

『知らない男に腕つかまれても焦ってなかったじゃん?』

『あ、焦る必要がないじゃん…』




不機嫌な会長につい口が尖っていってしまう…。




本当は心配してくれてるって分かってるんだけど…



素直にありがとうが言えない



本当に…可愛くない



やになるよ…






さっきだって助けてくれてありがとうって言った?






…言ってない。







自分がしてる失礼さに身の毛が立ってきた




いくら会長だってそりゃムカつくよね…









『…はァ〜…。だから無防備なんだよ。あと無自覚もあるか』

『…』

『…。』





あたしは俯いてどうやってお礼言おうかと考えてて会長の声なんか耳に入ってない




だから会長が近づいてくることも分からなかった




あたしの腕がかすかに揺れた






…ん?



手を見てそれからゆっくりと会長を見る







『きゃッ!?』






ダンッ!!




腕をそのまま後ろの壁に押し付けられ、体が思いっきり壁にあたった





『痛っ!』



そのあとからなにかがあたしを壁と挟んで動けないようにしてくる



背中がジンジンと後から鋭い痛みがきて、熱い




いきなりで戸惑いと驚きでなにも出来ない




真っ暗になった視界からなんとかぬけようと身をねじらせるけど、ダメで。




甘い果実系の香りがする



こ、この匂いって…






『か、会長っ!?』

『なに?』




思わず叫ぶと明るい返事が返ってきた


背が小さいけどあたしの顔は俯いてて、なにも見えない




ただ…



暖かくて、優しい温もりがあるだけ