「よろしく! あ…うんと、優輝って呼んでいい? あ! アタシの事も沙希でいいからっ!」
「そだな。 じゃ、改めてよろしく、沙希」
アタシは差し伸べられた手を、握り返した。
すると
「ムムムッ! 沙希が相手してくれない――っ!」
え?
沙希…?
すぐさま呼び捨て?
可愛い男は、頬を膨らまし、腕を組んでた。
「不貞腐れるな。 お前も自己紹介しろ」
お、大人だな。
アタシは尊敬の目で優輝を見た。
「まぁたぁ! 沙希ぃ! 優輝ばかりっ!」
「え…?」
「……早くしろ」
不貞腐れてる男に、優輝は呆れた顔をする。
アタシが目を向けると、二コッと笑って
「俺は早乙女 翔だよ! 沙希と友達ぃ」
Saotome Syou
抱きついてきた。
「え? ってちょっ…」
「……翔、放れろ」
優輝の声で、翔は大人しく放れた。

