外に出るとまるで部屋の電気をオフにしたように一瞬で暗くなる。


「早く海岸に行け!

叶は海岸に着いたら防御と視覚遮断の陣を!」


「幸大、私は?」

「下がってろ!

視覚を遮断するんだ。」


ピチャンッ、

幸大は水面に立つ。


皆が海岸に着く。


「陣が間に合わないか。


お前ら目を閉じろ!」


カッ、

その瞬間、海の上に背景一面を覆うような満月が浮かぶ。


「皆さんが、急に倒れました!」

圭吾以外がその場に倒れる。


「寝ているだけだ!

お前はそいつらを連れて避難しろ!」

「わかりました!」



圭吾が一人ずつ運び避難を終えた。


「いつまでスイマーを気取ってる。

姿を現せ、黒龍!」


ザパンッ、

水しぶきをあげ、月をバックに漆黒の龍が飛翔する。



「黒龍!俺はお前と争いたいわけじゃない。

お前の相方は何処にいる!」


「オオオオォォォオ」


「怒りに我を忘れるな黒龍!」


突撃する龍を片手で防壁を張り防ぐ。


「お前は海を治める龍であろう!
その強くおおらかな心を取り戻せ!」


龍は聞く耳を持たない。


「オオオオォォォオ」