「じゃ、おやすみ。」

部屋の電気を消した直後、幸大は就寝の挨拶を告げる。

「おや?

もう寝てしまうのですか?」

圭吾が珍しく驚いた表情をする。

「他に何をするんだよ?」

「修学旅行の夜には定番の恋ばなですよ?知りませんか?」

「あたかも当然のように言うな。

修学旅行はしばらく先だ。」


「まぁ、そう言わずに、お聞きしたいこともありますから。」

「聞きたいこと?」

「はい、そうです。」

「何だ?」

「貴方は生徒会の中で誰がお気に入りなんですか?」


「………?

はい?」


「少々答えづらいとは思いました。

なので、選択肢を用意しました。」


「準備が良いな。」

「僕を誰だと?

では、次の中から良いな、と思う女性の特徴を選んでください。」

「確かに、特徴を選ぶなら、人物の特定は難しいからな。」