風呂上がり、幸大が部屋に戻ろうとして階段に足をかけた時、上から楓の姿が見えた。


「なんか、ふらふらしてないか?」

「もしかして、眼鏡が無いからでは?」

「かもな。」


話していると、楓が階段に気づかず階段を踏み外す。

「キャア!」

ガッ、

幸大が咄嗟に移動し抱き留める。


「誰か解りませんが、あ、ありがとうございます。」

抱き抱えたまま下に降りる。


「ほらよ。」

眼鏡を付けてやる。

「あ、岡田君、ありがとう。」

「まったく、危ないな。

こんな至近距離でも見えないのによく風呂から出れたな。」

「お風呂の時はいつも外してるから、お風呂付近は目を閉じても通れるし、さっきは皆もいたから、
何となくならぼやけてても見えるから。」



「そうか。

今度からは気をつけろよ。」


幸大と圭吾は部屋に戻る。