さすがに部屋は男女ばらばらだった。



露天風呂


「今日は疲れましたね。」

「ああ。

しかし、楓の家に露天風呂とは驚いた。」

「ええ、僕もです。」

「………。

ここで女性が風呂に入らないかな。」


幸大が呟く。


「………。

貴方はそういうキャラでしたか?」


「キャラってのは解らんが、こう見えて女好きだ。」


「意外ですね。」

「実を言うとな、この話は俺達の中では常盤しか知らない話なんだが、

俺の本当の家には女性がいっぱいだ。


って言っても、側室とかじゃなくて女中なんだがな。

かっこよく言うと、和風メイドか?」


「まったく、貴方は不思議が多すぎます。」


「不思議?それを言うなら謎が多い、だろ?」

「いえ、謎は解明したいと思いますが、不思議はそのままで良いんです。

言うなれば、不思議という要素は貴方を構成するのに必要不可欠なモノですよ。」


「そうか。


ん?

これ、楓の眼鏡か?」

「おそらくそうでしょう。

湯舟に入ると眼鏡は曇りますから、外したまま忘れたのでしょう。」


「後で届けに行くか。」