「まぁ、良いでしょう。

それより、暗くなってきましたね。」

夕陽が水面に沈みはじめるほどに日が傾く。

「これは、中々の景色ですね。」
「ええ。」



「あそこで、いちゃつくのは定番ね。」

「ですが、私はいちゃつくカップルを見てるといつも邪魔したくなります。」

「僕ならあそこで彼氏にカッコイイ台詞を言ってほしいな。」

「私は、こういう時は何も言わず肩をこう、優しく抱きしめて貰いたいがな。」

「いえいえ、ここは夕陽をバックにキスを!」

「椿も圭吾も周りが見えてないのか?

こんなにすき放題言われてるのに。」



「さて、会長。

そろそろ暗くなります。

帰りましょう。」



「そうね。」


その言葉を聞いた見物者達は一斉に残念な顔をする。


「女子はこういうのが好きだなぁ。」



「あの、皆さん、今日は私の家に泊まっていってください。」

「良いのか?」

「はい。それに、明日は今日より早く作業を開始したいので、泊まっていただいた方が助かります。」



こうして、楓の家に泊まった。