海岸に戻ると、ゴミが大分減っていた。

「お帰りなさい。」

常盤が意味ありげに笑う。


「ゴミがずいぶん減ったみたいだが?」


「細かいことは気にしないで続きをしましょう?」



「皆さん、大丈夫でしたか?」

楓が駆け寄る。

「ええ。」

「いきなり海に引きずられるとは、何かあったのか?」

風牙が尋ねる。

「ここから少し離れた所に洞窟があり、そこには、壊れた祠がありました。

どうも、それが原因のようです。」


「僕が引きずられた瞬間に助けれたらよかったんだけど、海で能力を使ったら皆が怪我をするから、役に立てなくてゴメン。」


「この場合、仕方ありませんね。
それに、人には得手不得手があります。

そのうえ、私のような能力者は咄嗟の時に無力です。

それに比べたら貴女の方が優秀ですよ。」

叶がライカを諭す。


「ま、べつに無事だったんだから良いだろ。


それより、海開きまでに祠を直さないとな。」


「祠を直すというのは々、信じ難いですね。


神が実在するのか、まだ、誰も知りませんから。」


「まぁ、神は俗に言う、天というところに住むのと、

その土地に住むのと、

色々な所を転々としたりする自由な奴が居るからな。

実は会ってるかもしれないぜ?」