「皆さん、準備は整いました!

陣の上に悪魔を乗せてください!」



「とは言え、我々の攻撃もたいして効かず、あの巨体。

動かすのは難しいかと。」


「俺がやろう。」

「何か策でも?」


「お前らに見せてやるよ。

『完全獣化』をな。」


メキッ、メキメキッ、ビキッ、

幸大の身体が大きくなり、全身に毛が生える。



「人狼をイメージして見たが、どうだ?」


「ええ、間違いなく、素敵よ。」

そう答えた常盤の顔は安堵と希望に満ちた表情が見て取れた。



ヒュンッ、

一瞬で悪魔の後に行き、後から殴り飛ばす。


ドゴーンッ、

魔法陣の中に落下した。

と同時に空中に魔法陣が浮かび上がる。

幸大は元の姿に戻る。



「行きます。」


ゴウッ、魔法陣が発動すると悪魔が暴れだす。

「このままでは陣から出てしまいそうです。」

叶が顔を歪めながら呟く。


「俺がやろう。

我が敵がいかなる所にいようと貫け、

『グングニルの槍』」


ドドドドドドドッ、

複数の槍が地面から現れ悪魔を貫き動きを止める。


「止めだ。敵の魂さえも貫け、

『ゲイ・ボルグ』」


悪魔に刺すと30本の鏃が飛び出る。


悪魔はその場で動きを止めた。

「まだ死んでない。早く、奴を地獄に送り返せ!」


「言われなくともその気です。

汝の真なる主の下へと還れ!」


バシュウッ、

悪魔が跡形もなく消えた。