「幸大、私には無いのか?」

風牙が聞く。

「悪いが、ない。」

「…そうか。」

酷く落ち込む。

「わかった、わかった。

お前には神の加護をやろう。」

そういって幸大は風牙の頭を数回撫でた。


「うむ。やる気が出たぞ!

行ってくる!」


飛び去る。

他のメンバーも散る。


悪魔が目の前に下りる。

「校舎くらいの高さか。」


「悪魔よ、命令だ。奴らを殺せ。」


悪魔がこちらを見つめる。


ドンッ、

殴り掛かる。


中庭に大きな後が残る。


「行くぞ!

岩をも泥のように斬れ、倚天の剣!」


幸大は剣を取り出す。


「一体、何処から出したんだ?」


「太陽を射かけよ、丹弓!」


常盤は弓矢を取り出す。


ガキィンッ、キィンッ、


「…さすがに、物理的な力じゃ厳しいな。

しかし、あまり神の力を使うわけにもいかないし、」


その時、幸大は全く動けない楓に目を付けた。


「楓!

奴は魔法じゃないとダメだ。

お前の力が必要だ。」


常盤も駆け寄る。


「私には無理です。」

申し訳なさそうに下を向く。


「何故だ?」