「…」

「獣化に何か思い入れでも?」

「獣化ってな、本能が理性より勝った時は勿論危険だが、理性とぶつかり合った時もかなり危険なんだぜ?」


「獣化に詳しいわね?貴方も獣化できるの?」


「さぁな?」

「さて、そろそろ授業が始まります。

話しの続きは放課後にしましょう。」



ガシャン、

「中々の眺めだな。」

幸大は授業をサボり屋上に来ていた。


「貴様もサボりか?」


腰に刀を挿した少女がいた。

「まぁな。」

「私は五十嵐風牙(ふうか)だ。
超能力学科実動学部の風使いだ。」


「岡田幸大。総合学科。」


「何故、ここにいるのだ?」

「つまらないから、だな。」

「珍しい奴だな。

この学園に来た奴は能力を身につけるために切磋琢磨し、より高度な力を求めるというのに。」


「五十嵐、お前は?」

「私は、自分に限界を感じたのさ。

強いと思ってたのに、全く歯が立たなかった。



それから、この学園が嫌いになった。」


「自分が弱いのと学園が嫌いなのは関係ないだろ?」


「私には、友達がいた。

今では学園で会っても目線すら交わさない。」