昔ね、

私には不思議な力があったの

それも詳しくは言えないんだけど

私は、お姫様だったの

でも、私の力を恐れて監禁したわ
私が外に出ることはなかった

幸大が現れるまで

幸大はとある場所から休暇をもらっていて、私のいたお城に来たの

私の父は、城の中で唯一の味方だったの

父は幸大と話すうちに、私に会わせたの

父は幸大に私には不思議な力があると言って、皆に嫌われていると言った

幸大は言ったわ

「この城で人を見る目があるのは、俺と殿様くらいです」

って


その時は知らなかったけど、幸大も力を持っていたのよね

それから、毎晩、私を訪ねて来るの

何が驚いたって、壁を抜けてくるんだもの

幸大は私を連れ出して、楽しませてくれた

そのうち、父にも掛け合い、昼間から堂々と遊びに出掛けた


そこで事件がってやつね

飢饉に加え、父を貶めようとする奴らのせいで父は殺された

父を貶める流言の中に、私が化け物だという内容もあり、城から引きずり出されて、私を殺そうとした


そしたら、幸大がヒーローの如く現れてね

でも、少し遅かった

私は致命傷を負ってたの