遥か昔、まだ地球ができる前の話。

神と人とがともに暮らしていた時、



「ザキラよ、血迷ったか!」

「ゼウス、私は血迷ってなどいない。

貴様が邪魔なんだ。解るか?」


「ザキラ、神と神は例えいかなる争いでも消えることは無い。」

「黙れ。

そんなことは百も承知。

だが、人が神を殺すのは可能だろ?」


ザキラの後ろから剣を持った人間が現れる。



「ザキラ、貴様は、」

「ゼウス、お前は終わりだ。

やれ。」


「ゼウス様、失礼します。」


人間が走り込む。

「させん!」

ガキィン、


一人の人間が剣戟を止める。


「幸大!」

「ハァッ!」

ザシュッ、


幸大と呼ばれる少年は敵を切り伏せる。



「ザキラ、貴様、何をしてるかわかってるのか?」


「貴様、神に敬意を払わないとは無礼な。」


「お前に払う敬意は持ち合わせていない。

だが、貴様の死には敬意を払おう。」


幸大が走り込む。


「人間風情が!」


ドシュッ、


ザキラの手が胸を貫く。


「ハァ、ハァ、

人間をナメるな!」


ドシュッ、

幸大の剣がザキラの心臓を貫く。

「ハァッ!」

さらに剣を横に動かし斬る。



ザキラは倒れた。