「あれ?花音さんって町見るの初めてなんですか?
てっきり、噂が流れていた時どこかでお世話になっていて町も見ているものだと思っていました。」
ぼーっと見ていた私に沖田さんが問いかけた。
「私、初めてこの時代に来たときは甘味処をしている方の所でお世話になっていました。でも、中心部の方ではなかったので…。
ちょうど、皆と出会った桜の木から近い場所だったんです。だから、こんなに賑わっている町を見るのは初めてなんです。」
「そうなんですか。
じゃぁ、今日は楽しみましょっ。」
「はいっ。」
ニコニコ沖田さんにつられて私も笑顔でこたえた。
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