桜日記―幕末伝―

しばらく歩いていると、庭に出た。

池の近くには見慣れた人が立っている。

「玄瑞!おはよう♪」

私は急いで下駄を履くと玄瑞の所に駆け寄った。

「梓!おはようございます♪」

玄瑞は私より年上だけど何故か敬語で話す。

「玄瑞……敬語で話さなくていいんだよ?
私の方が年下なんだからぁ~」

玄瑞はニコッと笑うと

「これはクセなんですよ。梓が気にする事は何もありません!」

と言って、私の頭をなでてくれた。

「そっかぁ~……玄瑞大好き♪」

玄瑞は相変わらずニコニコ笑っている。

玄瑞は穏やかな雰囲気を持っていて、一緒にいると心が和むから好きなんだ♪

もちろん、恋愛感情ではないけど……。

しばらく玄瑞と二人で庭にいたら、隊士の一人が走ってきた。