桜日記―幕末伝―

ガタンッ……。

扉が開く音で私は目が覚めた。

辺りはもう暗くなっている。

いつの間にか眠っていたようだ。

「梓……話がある」

晋作の声がした。

いつもよりなんだか真面目な声に少し緊張する。

「………どうしたの?」

しばらくの間の後……

「お前は日本に着いたらどうするつもりなんだ?」

と聞いてきた。

昨日なら、晋作についていく!とすぐに答える事が出来たのに、今は黙ってしまう……。

「……俺と一緒に来る気はないか?」

晋作のその一言はすごく嬉しい……だけど……

「……私は……行きたくない……」

今の私にはこんな拒絶の言葉しか出てこなかった……。