桜日記―幕末伝―

どれくらい時間がたっただろう……?

お互いが無言のまま、時だけが流れてゆく。

「梓ちゃん……」

最初に口を開いたのは松原さんだった。

「今まで辛かったね…。
だけど、もう大丈夫…。
晋作が兄なら、私は…


あなたの姉になるわ」

そう言ってさっきよりも強く、私を抱きしめた。

松原さん―……。

「………ありがとう」

私は小さく呟いた。

「晋作とは仲直りしないの?」

松原さんは少し困った顔で聞いてきた。

「……仲直りしたいけど……晋作が私と話してくれないんだ……」

悪いのは私だってわかってるのに、涙が止まらなかった。