桜日記―幕末伝―

それを聞いた松原さんは、少し怒った顔をした。

「梓ちゃん……それ、誰が言ったの?」

私は下を向いて、

「…………晋作……」

と呟いた。

その瞬間、バキッと何かが折れる音がした。

驚いた私は、音のした方を見てみると……

松原さんの手に握られていた簪が見るも無惨な姿になっていた。

「……!?まっ…松原さん!?なにやってるんですか!?」

そんな私の問いに、松原さんは残念そうにしながら、

「晋作のバカを思い浮かべたら、つい力が入っちゃって~……
せっかく梓ちゃんにあげるつもりだったのに……」

と言った。