桜日記―幕末伝―

そう思った私はポツリ…ポツリと、未来での事を話し始めた。

「私は今から約百五十年後の未来からやってきたんです。
私が小さい頃は、私の家は幸せだった―。
お母さんとお父さんが笑っていて…その間に私がいて…私は家族の笑顔が大好きだった…。

だけど…だけど…

私が十歳の時に、お父さんが死んだの……。

原因は過労死…。
私たち家族を養うために昼も夜も働いていたお父さんは…ある日突然倒れて…

死んだんだ……。

それから、お母さんは人が変わった。
私に暴力をふるうようになって……
毎日男を連れて帰ってきた……。
お母さんは笑ってたけど…それは私が好きな笑顔じゃなかった…」