ピピピッピピピッ

目覚まし時計が鳴った

「悠ちゃぁ~ん?起きてぇ~、朝よぉ~?」

お母さんが2階に向かて1階から叫んだ



…うるさい

朝から忙しなく動き回るお母さんは家族の中では癒し系だ

と、いうより妹のような感じ

メルヘンで可愛らしくふわふわと靡く髪はお姫様のようだった

そんなお母さんは家事もちゃんと出来、料理もうまい


私は寝ぼけながらも下に降り台所に隣接しているダイニングテーブルの右側の椅子を引いた

そこが私の席だからだ


「おねぇちゃん、おはよぉーぅ」

と、ねむ足りなさそうに5歳下の弟が私の向かいの席に着いた

そこが弟の席だから




あと3か月ほどで9歳を迎える私は今年3年生になろうとしていた

今日は始業式で、新しいクラスの名簿のような用紙も学校で渡される

クラスは2年に1度クラス替えがあり

2年間仲よくしていた友達と離れるのはちょっと寂しかった

それでも、みんなが離れ離れになる訳ではないのだから、今よりもっと友達を増やせばいい

そう思った



何もかもが、今日、新しくなるのだ