「で?
俺に何か話があんだろ?」

「え!?」

話があるなんて言っていない。
それなのにもかかわらず、確信を持って言ってくる竜哉に僕はつい、声をあげてしまった。


(なんで、わかったんだ?)


「なんでわかったんだって思ってる」

「っ!?」


思っていることを当てられ、僕は竜哉の事をただ驚いて見るしかできなかった。
その時の僕の顔はきっと、間抜けなものだっただろう。

「お前、昔から顔にでやすいからなぁ」

面白そうに目を細めて笑う竜哉にぼくはドキッとした。

「そんなにかな……」

「あぁ
何年の付き合いだと思ってんだよ」

話ってなんだよともう一度問われ僕は覚悟を決める。


「うん



あのさ、変なこと聞くけど、いい?」





「もちろんだ」





何のために人払いしたと思ってんだ?と言われここに僕と竜哉以外、人がいないことに気がついた。
目の前の男はいったいどこまでわかってるのだろうか。
僕がこれから聞くことも言っていそうで怖い。