『晴紀?
ひさしぶり、どうした?』


久しぶりに聞いた竜哉の声は変わりなくて、思わず涙が出そうになった。


「結婚するんだって?」

グッと涙をこらえ、出来るだけ明るい声をつくる。

『そうなんだ!
招待状、届いたか?』

「うん。今日届いた
おめでとう」

「ありがとう
お前にそう言ってもらえるとうれしいよ!」

電話だから竜哉の表情はわからないけど、きっと最初に梓さんを紹介した時のような笑顔なのだろうと思った。





竜哉には幸せにてっていう気持ちとおめでとうなんて言いたくない気持ちが混ざっていいようのできない気持ちになった。